肉離れ

肉離れ

肉離れとは、スポーツや無理な日常生活動作による負荷によって、筋肉が裂けたり、筋組織を損傷することで起こります。
ふくらはぎふとももの筋肉で起こりやすいのですが、どの筋肉でも起こる可能性があるため、比較的小さな筋肉だから肉離れではないと勘違いをしないよう注意が必要です。

<症状>

一般的には、損傷部の圧痛動かしたときの痛み熱感腫れ皮下出血などがみられますが、損傷が強い場合、痛みによって歩行困難になったり、筋肉の陥凹がみられる場合もあります。

<原因>

スポーツや日常生活動作など様々な場面で起こりますが、そのほとんどが遠心性収縮という力が加わったことによる受傷です。
遠心性収縮とは、筋肉自体は縮もうとするのに対して、それとは逆の力が加わることで結果的にその筋肉が引き延ばされてしまう状態を指します。

またその背景として、筋肉に柔軟性がない・気温の低さで筋肉が固くなっている・発汗による塩分やミネラルの不足疲労などがあり、それらがそもそも肉離れをしやすい状況を作り出しています。

日ごろからのストレッチや、運動前のウォーミングアップ・水分や塩分の補給などを行うことで、肉離れの予防になります。

<治療方法>

初期の場合、損傷した筋肉から出血があるため、包帯での圧迫固定を行い出血を止めます。
この圧迫固定は、すでに出ている血液の吸収を促す効果もあるため、痛みの緩和に効果があります。

出血が止まったタイミングから、機械療法手技療法を用いて、周囲の余計な筋緊張を落とし、回復に必要な栄養などを運んでくれる血流を良くしていきます。

筋肉にある程度強度が出てきたら運動療法を取り入れて、再発防止のための筋力強化を行っていきます。

以上の手順で治療をすることで、痛みの落ち着くスピードはもちろん、完治までのスピードが格段に速くなるため、スムーズな仕事や運動復帰が可能となります。

肉離れの場合、受傷後すぐに適切な処置がされないと、損傷部分に瘢痕組織という筋肉とは別の組織が入り込んで治ってしまいます。
そうすると、筋肉と瘢痕組織の境目はぜい弱なために、再び肉離れが起きやすい状況となってしまいます。
さらにその瘢痕組織は、基本的にはそのまま存在し続けるため、一生肉離れがしやすい状況になってしまうのです。


このように一生残る傷にしないためにも、肉離れをした際はなるべく早く受診して、適切な初期処置を行いましょう。