グロインペイン(鼠径部痛症候群)
グロインペイン(鼠径部痛症候群)はランニングや起き上がり、キック動作など腹部に力を入れたときに鼠径部やその周辺に痛みが生じます。
小学生から大人までのサッカー選手に異常に多くみられる症状です。
痛みが出る箇所は、下腹部・鼠径部・内転筋部・睾丸~肛門部・坐骨部・大腿直筋近位部・恥骨結合など非常に様々です。

<原因>
グロインペインは、複数の原因が重なった際に痛みとして出てくる場合が多く、それゆえに原因不明と言われることもあります。
具体的には、サッカーやバスケなど身体を切り返すスポーツをしている・体のバランスが悪い・運動量が多くケアもあまりできていない・ダッシュを日常的に行なっている・股関節の可動域が狭いなどが挙げられます。
体幹から股関節周辺の筋や関節の柔軟性の低下による拘縮や、骨盤を支える筋力低下による不安定性、体幹と下肢の動きが効果的に連動すること(協調性)が出来ないことで、不自然な体の使い方になっていきます。
これらの機能が低下し、痛みと機能障害の悪循環が生じてることで症状がどんどん慢性化していきます。
可動性、安定性、協調性に問題が生じたまま、無理にプレーを続けると、体幹から股関節周辺の機能障害が生じやすくなってしまいます。
<治療法>
原因が様々あることから、まずは診察にてどこの問題があるかを明らかにし、そこへアプローチしていきます。
筋肉に問題があれば手技療法で筋緊張を落としたり、ストレッチによって柔軟性を獲得します。
関節の動きが悪ければ、AKAの技術を使って関節本来の動きを取り戻します。
また、運動におけるフォームを確認し、正しいフォームを指導・修正していきます。
グロインペインは、1度なってしまうとなかなか治らない症状です。
というのも、実は私も小学校から高校までグロインペインに悩まされていました。
走ったり蹴ったりする時の痛みがずっと続いていたのですが、酷いときは痛みから全力で走ることができないこともありました。
当時は、私も親もグロインペインの存在すら知らなかったので、治療をするという考えには至りませんでした。
今思えば、早く治療していればあんなに悩まなかっただろうなと後悔するところです。
実際経験した身からすると、同じ悩みを抱えてほしくないという思いから、少しでも早く治療を開始してほしいと思います。
お子さんの場合、運動を休みたくないという思いから我慢してしまう子も多いと思いますが、後になって後悔することになりかねないため、なるべく早く治療を開始しましょう!