外反母趾

外反母趾

外反母趾とは、足の母趾(第1趾)の先が人差し指(第2趾)のほうに「くの字」に曲がってしまう症状です。
足の甲の骨(第1中足骨)と親趾の骨の位置関係が、親趾が外転することにより親趾の根元の関節(MP関節)が亜脱臼方向に変位してしまい歩行痛などを引き起こします。

外反母趾の1番の原因は靴によるもので、幅が狭くつま先が細くなった靴を履くと母趾のつけ根から先が圧迫されて変形します。ヒールの高い靴はつけ根にかかる力が増えるためにさらに変形が進みやすくなります。


また偏平足も大きな要因の1つです。
正常な足には縦アーチ(図の左)と横アーチ(図の右)があります。

生まれつきや、肥満筋力低下などによって偏平足になっていきます。
偏平足でこれらのアーチが崩れると、母趾の中足骨が扇状に内側に開き、それから先の指は逆に靴で外側に圧迫されます。それによって外反母趾が悪化していきます。

<症状>

靴と変形部が擦れたり、骨同士がぶつかることでの痛みが出てきます。
また目に見えた関節の変形がみられ、症状が進むと隣の指に親趾が乗ってしまったり親趾の付け根がはれ上がってしまいます。
最終的には、痛みや変形によって歩行が困難になってしまいます。

変形した関節は自然に治ることはないため、手術によって形を治すほかありません。
しかしその手術は形状を元に戻すものであって、歩行を可能にするための手術ではないため、手術したから元のように歩けるようになるというものではありません
実際過去の患者さんでも、歩けるようになると思い手術をしたものの、終わってみると歩くことはできず、結局歩けないという状況が改善されることはありませんでした。

<治療法>

症状や進行度合いによって変わってきますが、電気療法や手技療法によって痛みをコントロールし、関節本来の動きを取り戻すことで骨への負担を減らして足のアーチを再形成し、これ以上の変形を抑えます。
外反母趾の悪化を防ぐには足の細かい筋力も大切になってくるため、そこを鍛える運動も同時に指導していきます。


外反母趾は放置すると痛みだけではなく、変形もどんどん進んでいきます。
最終的には歩行が困難になり、筋力が落ちて車いす生活に・・・という顛末を辿る人もいます。

変形を治すことはできませんが、痛みをコントロールして、変形を食い止めることは可能です。
1日でも早く治療を始めて、自分の足で歩ける当たり前の生活を守りましょう!